空気遠近法を理解すると遠近感のある広大な背景が描けるようになる

風景・背景画講座
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広大な風景画や背景イラストを描く上で、とても重要になってくる「空気遠近法」という概念。

「名前は知っているけどよくわからないし、なんとなくで描いている」という方もおおいのではないでしょうか?

 

本記事では風景イラストにおける空気遠近法について解説し、実践的な事例についても紹介していきます!

絵に遠近感や空間の広がりがでなくて悩んでいる方必見の内容になっていますのでぜひチェックしてくださいね♪

 

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空気遠近法を理解すると遠近感のある広大な背景が描けるようになる

空気遠近法を理解し、実際の絵に落とし込めるようになると絵の中に「空間の広がり」「広大な距離感」が表現できるようになります。

もし広大な景色を描くのに空気遠近法が活用できていないと、イラストの色味が単調になってしまったり、距離感のないのぺっとした仕上がりの絵が出来上がってしまいます。

特に、外の広い空間を表現する上ではほぼ必須のスキルといっても過言ではありません。

まずは、空気遠近法をイラストで活用するための基礎的な知識をご紹介していきます。

 

そもそも空気遠近法とは?

空気遠近法は、外などの広大な空間において物体との距離が遠く離れているおり、空気(大気)の影響を受けて物体の見え方(色)が変化していることを表現して遠近感を出す手法です。

色味とコントラストをコントロールすることで物と物との遠近感をコントロールします。

 

空気遠近法の主な表現方法

空気遠近法はその名の通り、「物体との間にある空気(大気)の層」が遠くのものほど分厚くなる理屈を利用した遠近感の表現方法になります。

 

空気の層が厚くなることによって起きるいくつかの代表的な現象を絵として表現することで空気遠近法を再現することができます。

【現象①】遠景になるほどコントラストが弱くなる

右手前の岩山に比べて遠くの山脈はコントラストが弱く淡い色合いに見える。

空気遠近法が大気の厚みを利用した遠近表現であると説明しました。空気中には目に見えないくらい小さな「チリ」や「水蒸気」のような不純物が存在しています。空気(大気)は数メートル単位ではほどんど透明といっていいですが、数十メートル~数百メートル~数十キロと距離が離れるほど、物体との間の空気中の不純物の濃度も高くなっていき、徐々に視界に影響を与えるようになります。

そうなると遠景にあるものほど空気中の不純物の影響を強く受け、かすみがかったような見え方になってきます。

この現象を絵として表現すると、遠景のものはコントラストが弱くなり、一番明るい色味と一番暗い色味のさがほとんどなく彩度も低い淡い表現になります。同時に物と物の境界もぼんやりとぼやけてはっきりしないという表現に繋がります。

 

こういった表現は、空気中の水蒸気濃度が高く「霧」や「靄(もや)」が発生しているときなどは特に顕著になります。

 

【現象②】昼間の晴天時は遠景になるほど青みがかる

手前の風景に比べて右奥の山々はかなり青く染まっているのがわかる。

晴れた日中に、展望台や山の上のような景色のいい高い場所から遠くの山を見たことはありますか?木の生えている遠くの山々が青みがかって見えたはずです。

これは青色の光が赤色に比べて空気中の分子に乱反射しやすいという理由と、遠景のものはそのものの地の色の反射率が低いので、その分空の色味の影響を受けやすいという理由から起きる現象です。

 

ちょっと難しいですが、あまり深く考えずに昼間の遠景は青みがかると覚えておきましょう。

そして現象①と組み合わせると、遠景のものでもより遠くのものはだんだんと青みがかった薄い淡い色になっていくということも合わせて理解しておくといいでしょう。

 

【現象③】遠景になるほど大気の色味を強く反映する

遠くの山々が夕焼けの橙色に影響を受けた色味に見える。

この現象は、現象②で説明したこととほぼ同じなのですが、昼前の遠景が青みが買っていくように、夕焼け空のような場合にも同じような現象が起きます。

 

夕焼け空の場合は、空の色(大気の見え方)が赤~オレンジ味がかっていますよね。

この場合、遠景の景色(山や雲)は赤~オレンジの色味の影響を強く受けます。

②同様に遠景のものは地の色の反射率が低いので、環境色である大気の色味の影響を強く受けるのです。

 

大原則!近景の影色より遠景の影色のほうが明るくなるべし

ここまで空気遠近法によって起こるいろいろな現象を紹介してきましたが、

「青みつけるとかは分かったけどちょっと混乱してきた・・」という感じですよね。

ここで空気遠近法というか絵を描くうえでの遠近感の大原則を紹介しておきます。

 

それは、「近景の影の色よりも、遠景の影の色のほうが明るくなるべし」です。

 

これは実際に写真をモノクロにすると分かりやすいかと思います。

物体の地の色に多少左右されるところはありますが、画面全体を見て近景から遠景にむけて影色の明度が明るくなっていっているのが分かるかと思います。

これが空気遠近法の大原則であり、抑えておくべき最も大事なポイントです。

このコントラストがあべこべになってしまうと絵としてのバランスが崩壊してしまいますので注意するようにしましょう。

 

【実践】空気遠近法を意識して遠くの山の風景を描いてみる

まず青空のグラデーションを作ります。

さっそく空気遠近法を意識して、下に向けてかすんだように淡く明かる色味のグラデーションをつけていきます。

雲の影面のコントラストについても同様に、近く(画面上側)ほど暗く、遠く(画面下側)ほど明るい色味を選択します。

青空の描き方について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にして下ださいね。

 

 

次に山を描きます。

最奥の山は淡く明るく、青みがかって空の色味にかなり近い色を選択してほぼシルエットで描きます。

 

次に一つ手前の山を描いていきますが、先ほどの最奥の山よりも少し暗い(濃い)青系の色味を選んで描いていきます。きわめて弱いコントラストで尾根の凹凸も少しだけ表現しました。

さらに手前にある山を描きます。今度は青みだけでなく少し緑に寄った色で、コントラストも少し強くして山の凹凸を描きこみます。

この距離感に応じた色味の変化・描きこみの変化によって広大な空間の遠近感を表現しました。

 

空気遠近法の表現方法をまとめると

・遠景になるほどコントラストが弱くなりぼやける

・昼間の晴天時は遠景になるほど青みがかる

・遠景になるほど大気の色味を強く反映する

 

空気遠近法を意識した空の描き方について知りたい方は空と雲の描き方!プロが教える自然な青空が描けるようになる方法の記事も読んでみてくださいね。

 

他にも遠近感を表現するためにパースの概念はとても重要です。

より遠近感を感じる魅力的なイラストが描きたい方は

photoshopでパース線を作る方法を徹底解説!実践テクニックも紹介します。

パースがわかると絵が劇的に上手くなる!基礎知識と注意点を解説

の2つの記事も合わせてどうぞ。

 

 

 

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