絵を上手に描くにはパースが重要って聞いたことあるけど
実際どんな風にすればいいのか全然わからない・・
パースを使った絵の描き方を詳しく知りたいな。。
今回はこんな悩みにお答えします。
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・イラストにおけるパースの基本を理解できる
・実際にパースを使って絵を描いていく方法が理解できる
パースを使った絵の描き方をマスターしてプロっぽい絵を描く方法
早速結論からですが、
パースを使ってハイクオリティなプロっぽい絵を描いていく方法は・・
①絵におけるパースの基本的な知識を理解する
↓
②絵のレイアウトを描くときにパースを意識できるようになる
↓
③レイアウトにパース線を描いてパースに沿って絵を描いていく
この3ステップです。
いきなりパースを使って絵を描こうとしてもつまづいてしまう可能性大なので
この記事で一つ一つのステップをしっかりと押さえていってください。
イラストにパースを使う重要性を理解しよう
まずはパースの基礎理解からですがその前に・・
そもそもなぜイラストにパースを使う必要があるのか?
ということについて理解しておきましょう。
パースとは、絵の中に遠近感を作り出すための絵画技法です。
遠近感とは、遠くのものは遠くに、近くのものは近くに見えるように感じる感覚のことですが
これを絵という2次元の平面的な一つの面のなかに作り出すことができるのがパースという技術になります。
つまり、パースを絵に用いることで、絵に距離感、空間が生まれるので
より立体的でリアリティのある描写ができるようになるのです。
このことを理解してパースの勉強をするのと
なんとなくパース覚えないとな~
みたいな感じで勉強するのでは、全然モチベーションや成果に差が出てきますので
ぜひこの機会に意識してみましょう。
イラストにおけるパースの基礎理解
ということで、パースの基礎について学んでいきましょう。
※パースの知識に関してはバッチリ!という方はこの項目はすっ飛ばしちゃってください。
下の図を見てください。
この絵は、A地点、B地点それぞれにいるとき、このシルエットのキャラクターがどのくらいの大きさになるかをパースを使って示しています。
パースはこの図に赤い線で示されている「パース線」という補助線を引いて使っていきます。
パース線は「消失点」と呼ばれる一点に向かって集まっていくという決まりがあり、消失点を中心に放射状に広がっています。
この消失点を水平に通る線を「アイレベル」といい、アイレベルは目線の高さ(この画面を見ている視点の高さ)を表現する線になります。
ちなみにこのアイレベルは通常は水平線・地平線の位置になるという特徴があります。
【パースの種類】
パース線を使ったパース表現は大きく分けて
・一点透視図法
・二点透視図法
・三点透視図法
という3つの種類に分類することができます。
それぞれ遠近感を表現するために必要な消失点の数が違います。
一点透視図法は一つの消失点、二点透視図法は二つの消失点、三点透視図法は三つの消失点が発生するパースになります。
いかにそれぞれの透視図法の簡略図を載せています。
ここでは基本的なパースの説明におさえておきますので
もっとパースについて詳しく知りたいという方は、↓の記事をチェックしてみてください。
パースが使われている絵について理解しよう
ここまでパースについての基礎理解を進めてきましたが
そもそも、パースが使われている絵とそうでない絵はどのような違いがあるのでしょうか?
簡単な例で説明をしていくと、たとえば↓の家の絵はパースが使われていない絵になります。
そして、こちらの↓絵はパースが使われている絵です。
これら二つの絵の違いは何でしょうか?
当然ですが、パースが使われている絵には家の奥行、つまり厚みが描かれています。
この厚みはこの場合、↓の図のように一点透視図法を用いて消失点をもとに奥行の角度を求めて描かれています。
要するに・・
パースの使われている絵とは、このように「あつみ」を絵の中で適切に表現している絵ということになります。
たったこれだけのことを理解しているか、いないかの違いで
絵にはかなりの説得力の差が生まれてきます。
絵が苦手な人にネコの絵を描かせると、↓のような感じになってしまうのを見たことがありませんか?
これは、絵に奥行を描くことができずに、猫の体を平面的にとらえてしまっていることが違和感の主な原因です。
絵にパースを用いて「奥行」を作ることができる人は↓のように、手前の足と奥の足との間に空間を作っての猫体の厚みを考慮して描くことができるわけです。
こういった厚みを意識して絵を描ける人は、「観察力」も非常に長けている共通点があります。
観察力は絵を上達させるために非常に重要な要素になってきますので詳しく知りたい人は
↓の記事をぜひ読んでみてください。
実際にパースを使って絵を描いていく方法
それでは実際にパースを使って絵を描いていくにはどんな工程を踏んでいけばいいのか具体的な解説をしていきます。
ラフを描くときの意識
まず絵を描くにはラフデザインなどと呼ばれるレイアウトの「下描き」がひつようになりますよね。
なんとなく画面に入れたいもの、配置の構図などを意識しながら筆を走らせていくわけですが、この時まずおおざっぱでいいので意識したいのが
「アイレベル」
と
「透視図法の種類」(消失点の位置)
です。
まずその絵の画面を見ている目線の位置、つまりアイレベルですが
これを大まかに決めてしまうことで、その絵の「角度」が決まります。
アイレベルが画面のちょうど真ん中にあれば、その絵は、まっすぐ真正面を見てとらえている構図ということになります。
アイレベルが真ん中より上にあれば、「俯瞰」つまり見下ろす角度の構図。
真ん中より下にあれば、「あおり」つまり見上げる角度の構図ということになります。
そしてこの段階で、透視図法の種類と消失点の位置についても決めてしまいます。
例えば、↓のラフでは一方向の奥行にたいしてのみ奥行を作っているので一点透視図法を用いているということになります。
そして、アイレベル・消失点は画面真ん中より少し下に来ているので、若干あおり気味の構図であることになります。
透視図法と消失点の選択で画面構成がほぼほぼ決まってくるので、どんな見え方で描いていきたいのかということを意識することがこの段階ではとても重要になってきます。
ラフをもとにパース線を引いて清書する
大体の消失点とアイレベルと意識してラフが描けたら、正式に画面の中にアイレベルと消失点を描きこんで、消失点をもとにパース線を作成します。
さきほどのラフを例に説明していくと、↓のようにアイレベルと消失点をとります。
そして、消失点から放射状に延びるパース線を引きます。
このパース線の描き方については↓の記事で詳しく解説しているのでわからない人は参考にしてみてください。
パース線が引けたら、パースをもとに正確なレイアウトを描いてあげます。
ラフとパース線があれば描けちゃうぜ!
という人は必ずしも清書的にレイアウトを描きなおす必要はありませんが、初心者の方はぜひ練習とおもってラフとパース線からレイアウトを描き起こす練習してみてください。
キャラクターにもパースが使えるのか?
ここまでは背景イラスト的な絵におけるパースの活用についてみてきましたが、自分はキャラクターイラストしか描かないよ。
っていう人もいると思います。
ですが、キャラクターイラストについてもパースを利用することはもちろんできます。
よくアニメキャラのこと2次元キャラとか言ったりしますが、自分たちの世界では2次元のキャラクターたちも、絵の中の「空間」に存在しているわけです。
なので、2次元空間の中では立体的な3次元的存在なわけなんです。
つまりその体には厚みが存在するので、その厚みをパースに合わせて描いてあげることができるというわけなんですね。
↓の図は、人を分かりやすく部位ごとに箱で表したものを二点透視図法にあてはめて描いたものです。
青い⇒方向が、それぞれの位置での奥行の方向です。
このように人の体の厚みを四角形で表現してあげると、キャラクターもパースに合わせて描くことができるのがよく理解できるかと思います。
特に、肩幅や足などはパース感がよりはっきりと表れてくるポイントになります。
パースを使って絵を描いていく方法まとめ
・パースの基礎を理解する
・アイレベル、消失点、透視図法の種類を意識して大体のラフイラストを描く
・アイレベルの位置ででイラストの角度が来まる
・消失点の位置、透視図法の種類で奥行(パース)のつき方が変わる
・大体のパースに合わせてラフが描けたら、正確にパース線を引いてレイアウトを清書する
・キャラクターイラストも箱にデフォルメするとパースを意識して描きやすくなる。
今回の記事で解説してきたことは、実際に自分で手を動かして実践してみることがとても大切です。
まずは画面にアイレベルや消失点を意識するところから始めてみましょう。
最初は上手くいかないことが多いと思いますが、意識するべきポイントを押さえて繰り返し実践していけば、だんだんと精度が上がってきますので頑張ってみてください!
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