こんにちは!
背景イラストレーターのぺいです!
普段はアニメの背景イラストを描くプロの美術監督として活動しています!
この記事では
・背景イラストが上手くなりたいけど何を気を付けて描いていけばいいか分からない・・
・なんだかパッとしない初心者っぽい絵からステップアップしたい!
そんな悩みを持っている、背景イラスト初心者のあなたに向けて
背景イラストを描くときに気を付けたい3つのポイントについて解説していきます。
背景を描くときは「これを抑えないと絵が破綻してしまう・・」
というとても大切なポイントがあります。
そこをしっかりと抑えないといつまでたっても「素人っぽい絵」
から抜け出すことが出来ません。
年間1000枚以上の背景イラストを描いている経験からお話させていただくので
そこそこ信憑性がある情報になっていると思います。
脱初心者に向けてとても大切なお話をしていきますので
絵が上手くなりたい人は最後まで読み進めることをオススメします!
背景イラスト上達のために気を付けたい3つのポイント
ということで、さっそく結論からお伝えしていきます。
背景イラストを描くときには次の3つのことを意識することが大切です。
この3つのポイントを最低限抑えられれば、絵に見え方の矛盾が起こったりしなくなるので、素人っぽい雰囲気を抜け出すことができて、絵としてもとても見やすい綺麗な背景を描くことが出来るようになります。
といってもこれだけではどういうことか分からないと思うので一つずつ詳しく解説していきますね。
画面全体の明暗のコントラスト
まず画面全体の明暗のコントラストバランスについて解説していきます。
これは要するに空気遠近法を意識したコントラストの調整のことです。
遠景ほどコントラストが弱く淡い色使いになり
近景になるにつれてコントラストが強くハッキリとした明暗になります。
下の画像を見てください。
この絵では、手前の山肌は明るいところと暗いところの明暗がハッキリと分かれて
コントラストが高く描かれています。
一方遠くの山は段々淡くなり、弱いコントラストで描かれているのが分かりますよね。
コントラストの強弱とは=距離感の説明です。
近景と遠景のコントラストのバランスが崩れてしまうと
絵の距離感にちぐはぐさが出てしまう原因になります。
絵の中の距離感を意識して、画面内に綺麗なコントラストのグラデーションを
作れるようになりましょう。
距離感に応じた情報量の描きこみ
次に距離感に応じた描きこみについてです。
当たり前の話ですが、近くの物ははっきりと見え、ディティールや質感も細かくみえます。
ようするに情報量が多いということです。
反対に、遠くのものはぼやけて見えて、どんどんシルエット的になり、
細かいディティールはわかりません。
つまり情報量が少ないということです。
下の画像の絵をみてください。
手前の山肌は植物や岩のタッチが細かく描きこまれていますが、
遠景の山は徐々にディティールが減って最終的にはほぼシルエット処理に
なっているのが分かります。
この距離感による情報量の差が、背景を描くときにもとても重要で
近景は細かいタッチや材質ごとの質感表現も意識する必要がありますし
遠景は情報量が少なくなっていくので、シルエット的な表現に近づいていく必要があります。
こういった自然物のようなモチーフにおいては特に「描きこみの差」はかなり顕著に表現してあげる必要があります。
背景を描くときは、画面全体をコントロールして、距離感に応じた描きこみ差をつけてあげることを意識するようにしましょう。
対比・スケール感の調整
3つ目に一番大切な対比、スケール感です。
なにか大きさの分かる対象物、たとえばキャラクターや大きさのある程度決まっている
畳や家のドアなどが画面上にある場合は、
その大きさにあった背景の比率というものを考える必要があります。
この対比の狂いは他の間違いと違って・・
絵に詳しくない人が見ても一目瞭然でやばい間違い
なので、絶対に間違えてはいけない最重要ポイントになります。
特にスケール感が分かってしまうものの足元が見えている場合には注意で、
よりデリケートにものの大きさ対比に気を遣ってあげる必要があります。
次の画像をみてください。
左の絵は170㎝の人物に対してドアがちょうどいい大きさで収まっています。
対して、右の絵は人物に比べドアの大きさが小さすぎて、170㎝の人物が巨人のように見えてしまっている。
これでは普通の大きさの人間が部屋の中にいるようには見えませんよね(笑)
絵に詳しくなくても一目瞭然で違和感に気づきます。
このように、絵の中に大きさ対比が分かってしまう対象物がある場合、
気を付けないと致命的な絵の破綻を起こすことになるので注意しましょう。
背景イラスト上達のために気を付けたい3つのポイント【まとめ】
・画面全体の明暗のコントラスト
手前から奥に行くにつれてだんだん淡いコントラストになるように調整する。
・距離感に応じた情報量の描きこみ
手前のものほど情報量多く、遠くのものはだんだんシルエット処理に近づいていく。
・対比、スケール感の調整
大きさの決まったものが画面上にある場合、ほかの物・キャラクターとの対比を意識して大きさを決める。
ここまで3つのポイントを解説してきました。
これらは全て背景を描くうえでとても大切な意識になります。
ただ、これらのポイントはそれぞれ独立しているものではありません。
3つの気を付けるべきポイントを全て意識して、組み合わせて行くことが大切になってきます。
特に、明暗のコントラストと情報量の調整はとても密接に絡み合っていて、どちらか一つが欠けた絵では距離感が成立しなくなるので最新の注意を払うようにしましょう。
今回の記事で学んだ内容は動画でも解説していますので
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