現代の建物を描く機会というのは、イラストを描いているかたにとってはよくあることだと思います。
そのなかでも瓦屋根の住宅なんかは背景のモチーフとしては定番中の定番ですよね!
しかし、この瓦屋根・・・・
意外と複雑な構造をしていて、いざ描いてみようと思うと意外と上手く描けないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、瓦屋根、その中でも現代によく見られる桟瓦の描き方の一例をご紹介していきたいと思います。
瓦の種類
瓦を描き分ける上で、最低でも2種類の瓦の大きな分類を知っておくといいでしょう。
その二つは・・・
本瓦と桟瓦です。
本瓦とは?
本瓦は大昔に中国から伝わった瓦葺きの技術で、平瓦と丸瓦に分かれています。
主に江戸時代中期以前までよく使われていました。現代では主に寺社仏閣などでのみ用いられています。
ですので、絵として描く際には寺社仏閣や、時代設定が江戸時代中期以前の建物を描いときなど理由があるときのみに用い、現代の一般家庭のような家の屋根として描いてしまわないように気を付けましょう。
桟瓦とは?
江戸時代中期に発明された瓦葺きの技術で、本瓦より重量がかなり軽くてコストも低いという利点があります。
現代の住宅などに用いられている瓦も桟瓦になります。
寺社仏閣など歴史のある建物に用いると建物が安っぽくなりがちなので気を付けましょう。
今回はこの桟瓦の描き方をご紹介していきます。
瓦を描くときに意識したいこと
瓦を描くとなるとどうしても複雑な構造を追いすぎてしまうことがあります。
昔、瓦が上手く描けないな~と悩んでいたころ自分もそうでした・・・。
でも瓦の構造を深く理解して、正確に描こうとすればするほど、複雑に少しずつズレながら重なり合っている瓦の作りに頭がパンクして訳が分からなくなってしまいます。
瓦の描くときに意識したいポイントは・・・
構造を追いすぎず、「大体それっぽく描く」という意識が大切です。
なにをいい加減なことを言っているんだと思うかもしれませんが、よほど寄りで瓦を描く場合以外、それほど正確に瓦の構造を追わなくても十分瓦として成立する絵を描くことは出来ます。
なので、あまり難しく考えすぎずに、引きで見たときに瓦に見えるという意識を持つことがいい感じに瓦を描いていくためのポイントになります。
もし細かく構造を詰めていきたい場合は、ある程度形にしてからさらに細かく描きこんでいけばいいだけなので、あまり頭の中で考えすぎないようにしましょう。
瓦の描き方実践!
まず、瓦の固有色でベタで一列分の幅を塗ります。
次に、新規レイヤーを作成し、瓦の厚み部分とハイライト部分を1枚分だけ描きこみます。
この時だけは少し構造を意識しましょう。
簡単に図で解説すると、桟瓦は隣の瓦と端が重なっています。
そして上に重なっている部分は少しだけ曲がっています。
なので、この盛り上がっている部分に一段明るい色を入れることで瓦の形状を表現することができます。
瓦の描きこみができたら次は描いた瓦をコピーして縦に並べていきます。
これで一列の瓦ができました。この時、本来なら瓦は微妙にズレて重なっていきますがそこまでは構造を追わないです。
1列が完成したら、列ごとコピーして必要な分だけ並べていきます。
次に、瓦の下端にあるボタン状の瓦を描いていきます。
これも一つ描いて、必要な分だけコピーします。
屋根の上端部分を描いていきます。
最初に暗い色を置き、上を向いている明るい部分を一段明るい色で描いていきます。
追加で装飾も描きこみます。
最後に汚れや質感のタッチを加えるとより雰囲気が出ます。
家の築年数や雰囲気によっては逆効果になるときもあるので必要に応じて書き加えるようにしましょう。
以上で完成です!
いかがでしたか?
瓦を描くというとなんだか細かくて複雑で大変そうと思っていたかもしれませんが、こうして体型立ててしませばそれほど複雑なものではありません。
今回ご紹介した通りの手順でぜひ一度瓦を描くのにチャレンジしてみてください。
きっと今までよりもすんなりとそれっぽい瓦が描けるようになると思います。